好きなんだよ、好きな作品だからこそ言わせてくれい
ダレてるとは思わなかったし
どこが削れるのかと聞かれると困るが、映画自体が若干長く感じた
もう少し刈り込んで90分位の作品にできないものか
もしくは下に書いた妄想を実現して120分のディレクターズカット版を作って欲しい
TVシリーズの展開で出番の少ない1年A組の仲間に焦点が当てられているのは嬉しい
麗日さんが多めに出てきてファンとしては喜ばしいかぎり
ネタバレ感想、なんだけど・・・
最初から違和感
この離島の駐在ヒーロー任務、平和な島という事で分からないでも無いが
責任あるヒーローの仕事を、いくら前任ヒーローが引退して人手がないと言っても
仮免ヒーローを束で送ってそれで済ます・・・って、ありなんだろうか?
しかも劇中、相澤先生の「責任をとってもらう」発言は違和感ありまくり
今までの相澤先生からは俄かには信じ難い発言だと思ってしまう。
相澤先生は1年A組の生徒達にいつも冷静に「そんなに甘くない」と指導してきた立場
言ってみれば暴走しがちな生徒たちのブレーキ役だ
反対にアクセル役はオールマイトが担っていたはず
果たしてブレーキ役としての相澤先生が、こんな依頼を受けるだろうか?
仮に学校に命じられたとしても今までの彼なら最後まで強硬に反対すると思うんだけど
描写する時間が無かっただけかもしれないが、それは不親切だし
これでは相澤先生のキャラクターがブレてしまう、そもそも「責任」って何だ?
高校生でしかない彼らにどんな責任が取れると言うのか?
どんな問題に対するどんな責任か分からないが
何か事件や過失が起きたとして彼ら生徒が取れる責任と言っても
停学やヒーロー仮免の停止、もしくは剥奪、あるいは退学がせいぜいだろう
被害者からすれば「それが何?」のはずだ
金銭的損害はもちろん命への責任など高校生に取れるはずもない
ここにもう少し描写が欲しい
相澤先生は最後まで渋っていたけど
「次のヒーローが決まる迄の1週間だけ」
「この島の有力者には借りがあるから断れない」
「事件のほぼ無い島だし、ここでならどう?って校長に説得された」
「生徒には言わないけど、実は近海で待機している」
とかとか・・・
先生の引率無しで、彼らの成長を描きたいシナリオの都合は分かるけど
もう少し別な道は無かったかなぁ?
物語の冒頭、話の始まり部分に割く時間はそんなに無いんだろうけど
彼らが先生なしでヒーロー活動をする理由づけが無理筋だと思うなぁ・・・
先生は一緒に行ったんだけど、先生が本島に戻らざるを得なくなってその間に事件が起こり・・
とかさぁ・・・
ヴィランにも一言
言ってみれば今回のラスボスはオールフォーワンの劣化版なんだけど、それってどうなの?
生徒たちが倒した訳では無いけど、本家のオールフォーワンは既に退場しているのに
その劣化コピーで映画をやるってのは・・・
時間軸的にオールフォーワン事件の前にして欲しかった
生徒全員でオールマイト一人分って堀越先生のインタビューにもあったけど
視聴者からするとヴィランにどうしても二番煎じ感が出てしまうんだが・・・
ヴィラン一味の他の連中はキャラが立って良かっただけに、ボスがこれじゃ勿体無い
ここにもひねりが欲しかった。
キメラ強すぎでしょ、かっこいいなぁ
最後のシーン
デクがかっちゃんにワンフォーオールのチカラを譲渡する場面
デクの
「自分がどうなっても島の人達を助けたい、そのためにはもうこれしか打つ手がない」
という行動の理由は分かるんだけど
ここでそんなことしたら、この先一体どう本編に繋げるのさ?と思ったら
かっちゃん気絶オチでちょっとガッカリ
原作の堀越先生も「最終回のネタの内のひとつだった」と仰っている通り
こうでもしないとマンガやアニメの続きができないし
何かしらでデクにワンフォーオールの力は戻すんだろうけど、うぅ~ん・・・
かっちゃん気絶&先駆者たちの介入って展開を掘り下げて
かっちゃん自身が自分の意志でデクにチカラを突き返す展開が欲しかった
例えばかっちゃんが気絶している間に先駆者たちがコンタクトを取ってきて
「次のワンフォーオールの継承者は君だ」
とか夢の中で言われて
「デクにチカラを恵んでもらうなんてこの俺様に限ってありえねぇ!!」
「テメェら、なんとしてでもこの力、デクの野郎に戻しやがれ!!!」
「こんなチカラなくたって、俺はどんなヴィランにも勝って
ついでにデクの野郎にも勝って、ぶっちぎりのNo. 1ヒーローになる!!!!」
とか言って先駆者たち相手に夢の中でブチ切れる
こんな展開が欲しかったなー
デクにとって「最高のヒーロー」はオールマイトでも
いつも一緒にいて、気が強くて、センスも抜群で、勉強もできて
ヒーロー向きの性格のかっちゃんは
小さいデクの「身近にいる最高のヒーロー」のはずなんだよ
憧れのオールマイトに近づきたいとも本気で思ってるし
今はかっちゃんにも勝ちたいと本気で思っている
でも今ここで、助けを求めている島の人たちを助けるためには他に何も思いつかないし
ワンフォーオールの力を「かっちゃんになら託せる」と
デクなら本気で思ったと思うんだよね
あの状況なら
「かっちゃんがナンバーワンヒーローになるならそれはそれでいいかも」
って
実際、デクが生まれながらに、何かしら個性を持っていて
それがヒーロー向きでない個性で結果的にデク自身がヒーローになれなくても
いつも前を歩いていたかっちゃんがプロヒーローになったら
デクなら素直に喜んだと思うんだよね
「いつも一緒だったかっちゃんがプロヒーローになった」って
誇りに思うと思う
ここまで勝手な妄想だけど、やっぱりあの状況のデクなら
島の人を守るためにあっさりチカラを渡す気がする
でも、かっちゃんの性格から言って
いつも下に見ていたし
いつも後ろをくっついて来ていたはずのデクが
なんの力も無かったはずのデクが
守ってやる対象だったはずのデクが
才能に溢れた「このオレ」を危険も顧みずに助けに飛び出してきたり
いつの間にか個性を得て一緒に雄英高校で学ぶようになったり・・・
かっちゃんの性格から言って、いつの間にか追いついてきた最近のデクに
チカラを与えられるなんて我慢の限界を超えてるし
負けるのが何より嫌いなかっちゃんなら一度はチカラを受け取ってヴィランを倒したとしても
やっぱり我慢できなくて
「なんとかしてチカラを突き返す」
って展開が欲しかった
この辺のチカラの譲渡のルールがよく分かってないんだけど
この展開でディレクターズカット版作ってくれないかなー
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