映画感想:ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 – 永遠と自動手記人形

Violet Evergarden_movie 映画
引用元:©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 – 永遠と自動手記人形 -』予告

先日近くの映画館で再映?されていた
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」を見てきました。

全国ロードショーがかかっていた時に一度見てはいたんだけど、
「もう一度観たいな」と思っているうちに公開時期が過ぎて、そのままに観られずじまい。
秋に新作が公開予定なので、この機会に観なおしておこうと思い劇場へ。

(映画は映画館で観る派)

あらすじ

最初の舞台は良家の女子の為の全寮制寄宿学校
名家ヨーク家から学園の舞踏会までに娘のイザベラへ
貴族としてふさわしい振る舞いを教えて欲しいと依頼を受けて
学園へやってきたヴァイオレットとイザベラが出会う

イザベラは貴族のお嬢様同士の付き合いも苦手、貴族としてのマナーも振る舞いも苦手。
一方、貴族の出ではないヴァイオレット、なのに何もかも完璧にこなし、
まるで作り物の人形のように美しく、イザベラを守り続ける。
自分の不出来を見せつける為の鏡のように感じるイザベラは
実家から差し向けられたというだけで気に入らないヴァイオレットを、
最初は煙たがり、「貴族教育以外に一切立ち入らないこと」と約束させる。
しかしヴァイオレットに助けられるうち、だんだんと打ち解け、
ある時自分の秘密を打ち明ける・・・

ヴァイオレットとの別れが近づき、イザベラは自分の大切な人の話をはじめる・・・

感想

ベタ中のベタな作品(スッゴイ褒めてる)
実際最初も2回目も劇場で泣きました。
この作品の「想いを伝える、想いを届けることの大事さ」というテーマに沿って、
王道の話と京アニの画力、演出、声優さんの力量で一気に持っていった感のある作品。

大切な人を守る為、その身も未来も売り払い、籠の鳥となったイザベラには、
もう何もしてあげられない、別れる事しかできなかった、
後悔の日々を生きてきたイザベラに、ヴァイオレットは手紙を書く事を提案します。

「武器」として扱われ、人間としての生き方すら知らなかったヴァイオレットが、
自動手記人形の仕事を通じて人の想いを綴り成長し、
成長したがゆえに自分の中にも芽生えた届けたい想いが溢れている。
でも、自分のその想いを届ける事ができないヴァイオレットは、
想いを届ける事の大切さをイザベラに説きます、
「手紙なら自分の想いを届けることができます」と

果たして、イザベラの想いは届き、後半の物語が動き出します。

イザベラの大切な人、テイラー
テイラーの人生もこの手紙から大きく動きます。
イザベラの手紙と一緒に届けられたヴァイオレットの手紙を頼りに、
ヴァイオレットの元に身を寄せたテイラーは、文字を読むのもおぼつかないのに
「郵便配達人になりたい!」と言い出す。

ここからテイラーの郵便配達人としての修行部分が始まります、
暗くも美しい印象の前半と比べ、明るくコミカルな印象の後半パート。
舞台は明るい港町ライデン、それに合わせて色調も明るく街が鮮やかに描かれています。

前半パートの貴族階級向け女学校の華麗な描写が目を惹きますが、
僕はこの後半パートも出色の出来だと思いました。

暗い、静かな佇まい、モノトーンを基調にした音の少ない冷たい感じの前半パート、
対照的に、明るい色使いの街並みと、活気に溢れ、様々な音に溢れ、
沢山の人が行き交う賑やかな後半パート

過去にすがって生きる事しかできなかった少女が精一杯の想いを綴った一通の手紙が、
過去も未来もおぼつかない、もう一人の少女に「幸せ」を届け、その運命を切り開かせた。
そして、新しく生まれた運命が、過去しかなかった女性に新たな「幸せ」を送り届ける。
その「幸せ」の運び手が「郵便配達人」だったというわけです。

コミカルながらドラマ自体は地味な物で、
テイラーが少しずつ、文字を覚え、地図を覚えていく。
それを見守る大人たちが自分の経験や知識をテイラーに伝えていく。

一歩ずつ成長していく様を丁寧に描く。

覚えたての字で自らの想いを綴ることができたテイラー
「幸せ」をくれた「ねえね」に再び会うことはできるのか?

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』大ヒット感謝PV

新作も楽しみ

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