毎年楽しみにしている「ぎふアジア映画祭」に行ってきました。
今回で開催42回目の長く続いているイベントで、5年くらい前から参加してます
今回は新型コロナウィルスの影響もあり開催期間、作品数とも縮小した開催になり残念
今年こそはたくさん観られると思ったのに・・・
(前年までは入院だのぎっくり腰だのと体調絡みのトラブルでろくに参加できなかったので)
で、オープニング上映の「パドマーワト 女神の誕生」を岐阜市民会館で観てきたのでその感想
あらすじ
16世紀に書かれた書物がもとになった伝説を映画化した作品で、
インドで尊敬を受けている伝説の王妃パドワーマティのお話
舞台は13世紀のインドイスラム教国、おじ(大おじ)スルタン、ジャラールッディーンの座を狙う
アラーウッディーンは、その娘婿になって権力を自分のものにしようとする
もうこの冒頭で今作の悪役、アラーウッディーンのヤバさが伝わってきて、
鳥の羽根がほしいと言う王女の為にダチョウを一羽丸々捕まえ気を引き、まんまと婿に収まり、
結婚するかと思えば、結婚式当日に妻も舅のスルタンも放り出してそこらの娘といちゃついてる
登場シーンから野心が全身にみなぎっているような男で、こちらも別ベクトルで非常に魅力的
その実力も本物のようで、驚異だったモンゴル勢力を撃退して次期権力者の地位を確実にしていく
実力で部下を掌握したアラーウッディーンは舅のジャラールッディーンに
「叛心あり」と匂わせて罠に引き込んでいく
一方主役側の舞台は、海のないメーワール国、国王ラタン・シンが部下に与えた真珠の代わりの
新たな真珠を求めて主人公パドワーマティの国(スリランカあたり)にやって来る、
狩りをしていたパドワーマティの射た弓で怪我を負ったラタン・シンが看病を受けるうちに
二人は恋に落ち、めでたしめでたし、で終わるはずだったんだけど・・・
あいつ、なんなん?
結婚でめでたいのは主人公側も同じで、パドワーマティ夫妻も初夜の床につこうとしたところ、
無礼な覗き魔の侵入を受けてしまう
頼もしい夫の撃退で事なきは得たんだけど、
その犯人がラタン・シンの師の高僧だったから面倒なことになってしまう、
結局、高僧は死罪は免れて追放になるけど、この高僧の逆恨みが悲劇の始まりで・・・
といった感じで話が進んでいく
でも、あいつなんなん?
なに覗いてんだよ?
あんた徳の高い高僧で、ラタン・シンのお師匠さんでしょ?
パドワーマティを演じるディーピカー・パードゥコーンの美貌はそりゃ納得ですよ
怖いからスクリーンから出てきてほしくないくらいの美貌ですわ
でもこの高僧がパドワーマティに横恋慕するような描写も無かったんだよねぇ
コトが露見した後の逆恨み描写はあったけど、
やっぱりここは何か描写が必要だったんじゃないかな?
どうせ映画長いんだしちょっと足しても問題ないでしょうに
お話が史実なら(作者は創作って言ってるらしい)本人に自覚がなくても、パドワーマティは
ある意味「傾国の美女」でしょうね、妲己なんかとは違ってパドワーマティは何もしてないけどさ
メーワール国の女性たちも映画内ではパドワーマティを大歓迎してるけど
嫉妬してる高位の女性たちも多かったろうな、実際は(創作だっての)
その美貌が故に、全てが欲しいアラーウッディーンに国ごと狙われたんだから
ここももう少し描写が欲しかったなぁ
「その美しさが仇にならなければよいのですが」的な
過ぎたるは及ばざるがごとしですね、怖い怖い
やっぱインド映画は総じて長い!おもしろいんだけどネ
どうしても刈り込んだタイトな作品が好きなようで・・・
見どころのミュージカルシーンが無ければもっと短くできるのになんて思ってしまう始末
こりゃインド映画観る資格ないな
それでもインド映画のダンスはやっぱりすごい
生のミュージカルでこの物量を表現しようとしたら舞台の床が抜けるだろうな
それほどの人、衣装、舞台装置。
まず通常の劇場だと、ここまでの奥行きのある舞台を用意できないだろうな
特にパドワーマティがメーワール国の城で踊るシーンが圧巻で
彼女を中心に長いスカートをいっぱいに広げながら大勢が彼女の周りを回るシーン
カメラアングル的にも上から撮らないとスケール感を表現できないので
映画ならではの表現になっていてすばらしい
他にも主演のディーピカー・パードゥコーンの衣装が最たるものだけど、
彼女が走るシーンでは、しつこいくらい「シャンシャン」て音がついてまわる
彼女の衣装についた貴金属の装身具がたてる音が「シャンシャン」とうるさいくらい
数十キロ、数百万円にもなる衣装で撮影中もずっと過ごしていたらしい、甲冑だよね、もはや
他のキャストも、数秒しか映らないような人まで豪勢な衣装を着て、
身動き取りづらいはずなのに、お構いなしに踊りまくる
こんなのが生のミュージカルで2時間とかできるはずもなく
これもカットと編集を駆使して物語を作る映画だからこそ
エンターテイメントとして存分に楽しめるんだけど、
やっぱもう少し短くならないかなぁ〜
クルクル踊ってる間、話進んでないんだよなぁ〜
って思っちゃう
聞いた話ではインド本国では映画ていう娯楽はまだまだ高価で
家族総出で遊園地に行く感覚らしいから
特にエンターテイメント作品が長くなりがちなのは仕方ないのかしら
ぎふアジア映画祭のラインアップ
11月23日に
「37Seconds」
(すばらしい!障害者が生きることをここまでナマに描いた作品はなかなか無いと思ってる)
「台湾、街かどの人形劇」
の2作品が上映されていたけど所用で泣く泣くパス
以降は
11月29日
「存在のない子供たち」
(こちらもその重さ故に、観るのに覚悟がいる作品、ぜってぇ観る)
続いて翌週の
12月5日、12月6日に
の2作品を午前、午後を入れ替えての上映予定
やっぱり作品数少なくてさみしいなぁ、「37Seconds」観たかったなぁ〜
来年は通常開催してほしいものです。
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