コーヒーに「きれい」という表現を使ったのは初めてだった
淹れていただいた器も「きれい」な器だった
でも違う、「きれい」と思ったのは他ならぬ中身の「コーヒー」だ
「美味しい」でも「苦い」でも「いい香り」でもなく「きれい」
今回のカフェ探訪は「蓬邑亭」
海津市の町なか、ここいらでは「おちょぼさん」で有名な
千代保稲荷神社から車で10分くらい南に行った所にあります
今回はこちらの蓬邑亭をレビュー
基本情報
- 住所:〒503-0653 岐阜県海津市海津町高須町53-1
- 電話番号:0584-53-0643
- 営業時間:10:00〜19:00(火、水定休)
- 駐車場:4台位(2台2列の縦列駐車でこのくらい)
- 喫煙:不可(だったはず)
- 料金目安:¥600〜
- 支払い方法:現金のみ
メニュー
中深煎りのオリジナルブレンドの他に
それぞれの豆にあわせたローストのストレートコーヒー各種
お店のスタイル
こざっぱりした小さなお店で
席数はカウンター5席
4人がけテーブルが3
予約席になっている6人程度が掛けられるテーブルが1つ
コーヒーについて・感想
地元紙に掲載されていたコーヒー店の記事を見て、行ってみました
出迎えてくれたのはお店のご主人
白と青のストライプの半袖シャツをパリッと着こなし
眼鏡で細身の老紳士然とした出で立ちに落ち着いた声
お客は私一人の貸切状態
カウンターに案内されメニューを手に取るのが早いか
ご主人からコーヒーの解説が始まる
失礼ながら店が暇だったのか、嬉しそうにコーヒーの知識の手ほどきをしてくれる
こちらもこんなに歓待してくれると客冥利に尽きるので、にわかに弟子入りし
「深煎りの苦めのコーヒーが好みです」と告げる。
するとご主人の口からはポンポンとコーヒーの種類がいくつも上がってくる
こちらといえば普段はインスタントで済ませる安い口なので
正直にそのことを伝えて知識の洪水を泳ぐための時間を稼ぐ
「どうも酸味の強いコーヒーは苦手で・・・」
「それは酸化の進んだコーヒーだったんでしょうね
コーヒーは果実なので良質なコーヒーなら果実のフルーティーさが感じられ・・・」
「中米でコーヒーが採れるなんて最近知ったばかりです」
「中米では一番高価なコーヒーができるんですよ・・・」
「マラウイ?すいません、マラウイってどのあたりの国ですか?」
「コーヒーベルトの南端くらいの国で・・・」
「え?コーヒーって90度位の温度で抽出すると思ってました」
「それだと温度が高いですね・・・」
出るわ出るわ、泉のように湧き出る知識、というかコーヒー愛
こちらのお店は(忙しくない時だけだと思うけど)
ご主人に味の好みを相談し豆選び
カウンター奥にディスプレイしてあるカップから好きなものを選ぶ
その後1杯ごとに豆を挽き、ペーパードリップしていくスタイル
最初「深煎りコーヒー」と好みを伝えたけど、まずはオリジナルブレンドを選択
カップはハンガリー?製の白地に緑がかった青い草花模様の器をチョイス
沸かしたお湯をドリップ用のポットに入れ、お湯の温度を確認、調整する
ゆっくりゆっくりお湯を注ぎ、サーバーにコーヒーを落としていき
カップに移し替えてコーヒーが提供される
ここで冒頭の感想が漏れる
安い表現で申し訳ないが、良い紅茶と見紛うような色味
琥珀色よりもう少し濃いのだけど
コーヒーがすごく透き通っていて、カップの底の柄がうっすら見える
もちろん薄いコーヒーな訳はなく
しっかりしているのにするりと喉を通っていく飲みやすさで
嫌な雑味やしつこさはまるで感じない
すっかり感動していると奥にいらした奥様から
なぜかほうじ茶とお菓子のサービス
こちらもお手製の炒ったほうじ茶で香りも味も良い
お菓子は松露と生姜の砂糖づけ、これまたほっとする甘さ
実は最初のコーヒー提供前からご主人お手製の親芋の煮物のサービスがあり
こちらもなかなか、もっと里芋のようにねっとりした味わいかと思えば
意外にあっさりとした口当たりで添えてあるカラシとの相性も良く
「なんでコーヒー屋で和食食べてるの?」って思う間もなく
「うまい、うまい」とご主人の術中にはまっていく
聞けばご主人、お料理もするし、お店の壁に飾ってある絵も描き
さらにはお店の15周年記念のエッセイまで出版されているマルチなお方
お店の壁に貼ってあるメニューもおそらくご自分で書かれているのだろうと思ったけど
こちらが字も汚く、絵ゴコロも無いので
「書道?ええずっとやってます」とか言われたらさらに打ちのめされそうで
メニュー書きのことまでは聞けませんでした
ご主人、本当はお料理の店をやりたかったそうだけど
公務員を定年退職後の開業は体力的に不安だったので
コーヒー店に切り替えたそう凝り性で勉強熱心な方のようだから
お料理のお店でも美味しいものを出してくれそうだったのに惜しかったなぁ
実際おイモ、美味しかったもん
このあとさらに2杯目のコーヒーをオーダー
今度は深煎りのコーヒーを勧めてもらい
ケニアとマラウイのコーヒーの2種類をあげてもらう
ケニア産のコーヒーは他のお店でも聞いたことがあるので
なかなか飲めそうもないマラウイ産コーヒーをチョイス
カップはイギリス製の深いブルーの器
オリジナルブレンドより苦味が増していることはわかるけど
いかんせんこのバカ舌の分解能では苦いのにとても飲みやすく
後味はなんならスッキリしてるなー、って事くらいしか分かりませんでした
今回は、お気に入りの店が増えた素晴らしい探訪でした
トイレレビュー
ついでに前も書いたトイレについて
- トイレ:シャワートイレ
- かみ:少し厚みのある紙で好感
- 広さ:十分
- 石鹸他:アルコール消毒液なし、少し残念
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